新しく清澄白河にできた川沿いのホテル「LYURO」に泊まることにした。チェックインを済まして、何か良い店ないかなあと雨の中ぶらぶら。ホテルは清澄白河駅まで歩いて10分と少々遠い。地下鉄の駅周辺を歩いても歩いても、小道に入っても中々気になるお店が見つからなかった。30分以上ずっと歩いていたら、気がつけば森下の近くまで来ていた。おっ、と途中見つけた「はやふね食堂」。ここは絶対良いと思いつつ、食堂っていう気分では無いな、もうちょっとゆっくり飲める店がいいな、と見送った。でもこの食堂は絶対良い。
そんなこんな、またしばらく歩いてようやく足が止まったのが「陸中」。ここだ。
店内は店主と思われる男性が１人だけで他にお客さんはいなかった。カウンター4席くらい。荷物を置いて、メニューを見て、まずは生ビールセットにした。
生ビールに煮物に刺身の盛り合わせで1200円。
ビールが来た。土日もこの日も朝から一生懸命たくさん仕事をしたのでビールが染みる。ゴクゴクと飲んでいたら当たり前だけれどみるみる減っていく。
この煮物が味が濃い目で良い。大根と人参は汁を充分に吸っていて、イカも美味い。漬物もいい味。
刺身の盛り合わせはこんな感じ。充分すぎるなあ。美味い。このセットは安いぞ。
店内は静か。店主も変に話しかけてくるタイプじゃないんだなあ、と思ったら「こいつ、変なやつだな！」と海外から日本にやってくる人を取りあげた番組を見ながら急に第一声。最初がそれか、と思うけれどなんか微笑ましい。そうですね、と軽く答える。返事は無いけれど「そうだよな」って言う感じの目。無駄に話すよりこんな感じのコミュニケーションがすごく好き。
チャンネルを頻繁に変えて、気にいる番組があったのかまたしばらく見ている。スパイダーマンの格好をして授業をしているという先生を見て、「ふふっ」と笑っている。よく見たら手には緑茶ハイが。いいなあ。飲みながらお店をやっちゃうような人が昔から好きだ。義務とかやらなくちゃ精神とかではなくて、楽しいからお店をやっている、というのを感じる。
日本酒ありますか？と聞いたら、前にある2つだよと。新潟の朝日山と福島の奥の松。結局両方飲むけれど最初は朝日山から。カウンター越しでよいのに、わざわざ隣まで来てくれて注いでくれる。常温でなんかぬるいが、まあ美味い。ぐっといく。
主人があまりにもテレビに夢中だから注文しづらい（笑）。タイミングを慎重に伺う、というよりは自分もテレビを見ちゃえと思う。段々と好きなツボがわかってきた。また緑茶を飲んで、笑っている。
今だと思ってカキフライを頼んだ。準備が始まるとぱちぱちと油の音が響き、その香りも小さな店内に広がる。それをじっと見つめている店主。段々と音が大きくなっていくとまたどんどんお腹が空いていく。
揚げたて熱々のカキフライは、ここ最近食べたことないかもしれないくらいに美味かった。カキフライ独特の香りが好きだから、まずはそのまま、次にタルタル、それからソースでも。もう全部美味い。酒がすすむ、すすむ。噛んで溢れる汁は熱いが極上。
次に奥の松、そして最後は朝日山。結構飲んだ。（日本酒は4杯？）お会計をお願いしてみたら、大体3,800円程。お酒の値段がわからず頼んだけれどこんなに飲んでこの値段。また来よう。
お腹もお酒も余裕があったので最後は「ラーメン＆焼酎」でも。と思った時に出会った東煌。辛いラーメンが好きだから頼んだ「炎魔ラーメン（に葱とメンマトッピング）」。もう名前から辛いだろう。焼酎は無かったから、日本酒。まあいいか。
ちびちび日本酒飲んでいたらラーメンが到着。辛そうと思ったらそんなことはなくピリ辛。麺は少なくしてもらって大正解。
濃厚な味噌が美味い。日本酒飲んで、ラーメン食べて、ああ極楽な清澄白河の夜。
ホテルへ戻る。雨の中の１人飲みが楽しかった。
