土曜日1日予定がなかったので、ふとまたこんな旅をしようと思い、Google Mapを見て海の近くで目に入った「河津」へ行こうと宿だけ取った。
持ち物は前回同様にノート、本、それからカメラ、宿の名前と地図だけメモした紙を1枚。スマホは置いていく。
土曜の朝家を出て、東京駅で特急踊り子号の券を買って、車内に乗り込むとまずは一安心。時計もないから(普段はスマホで見ている)乗り遅れないか、ちょっとどきどきする。河津までは2時間25分。行ったことはなく、「桜が有名?」くらいの知識しかない。海が近いから魚はきっと美味いのだろう。
早速電車内で買ってきた本を読み始めることにする。今回は、ベタだけれど「伊豆の踊子」と「鉄路2万7千キロ 世界の「超」長距離列車を乗りつぶす」という2冊。まずはやっぱり伊豆へ行くんだから、と買った伊豆の踊り子を読む。大学生のときに読んだ以来。
しばらく読んでどのくらい経ったのだろうか、と思うとともに河津が何駅の隣かなどの勘もないから気をつけないと、と思った。大船に着いた、ということは30〜40分くらい経ったのかな。
それにしても車内には若い女性が多い。女子同士。伊豆は女性に人気なのだろう。
またしばらく本を読み、伊豆の踊り子をあっさり読み終えたので、外を眺める。快晴。
熱海を過ぎてから、2冊目の「鉄路2万7千キロ 世界の「超」長距離列車を乗りつぶす」を読み始める。河津までの約2時間半、遠いなあ…と思い始めていたけれど、この本を読み始めて、何泊も列車で過ごすのに比べれば楽なもんだ、という考えに変わった。
▲窓の外は段々リゾート、南国っぽい雰囲気に
窓から海を眺めたり本を読んだりして河津に着くのを待つ。それにしてもこの長距離列車旅の本は非常に面白い。インド人は足を踏まれても起きないのか…。
▲もうすぐ伊東。海が綺麗
「次の伊豆高原は12時1分着」というアナウンスが流れてようやく、あと約30分少々で着くのかな、というのが読めた。インド編が終わりキリがいいので、本はおしまい。外を眺める。伊豆高原に着いたのであと20分。そろそろお腹が空いてきた。
▲東伊豆の海岸
そして、河津にようやく到着した。
▲河津、すぐ横にこんな大きな山がある街だとは思わなかった
まずは昼飯にしよう。せっかくなので駅前で済ますのではなく、一旦海の方に歩いてみることに。少し雲が出てきた。
▲浜辺はそれほど綺麗ではなく、波が高め
海のそばを歩いてみたら、中華、台湾料理屋さんしかなく、少し戻って探しても休業、閉店というお店が多い。以外と店がない。…割には鰻屋さんが2つもあった。鰻が有名なのかな。鰻、という気分でも無かったけれどこれ以上探してお店がお昼の営業を終了してしまうのも困る、と思い「大川屋」というお店に入っていみると、随分とにぎわってて驚く。ほぼ満席。
贅沢して特上のうな重(3枚。4,000円!)を注文した。
三島市から仕入れているという鰻はぷりぷりで弾力があって、脂もたっぷり乗っていてめちゃくちゃに美味い。特上の「3枚」というのは鰻が3枚入っているということで、上に2枚。そしてご飯の中に1枚、2〜3センチ程に刻まれた鰻が入っていて、混ぜご飯のようになっている。なんとも贅沢…。
伊豆の地酒もいただきながら、お店にあった観光ガイドなどをパラパラ眺めて情報収集。駅前にガイドマップなどが無かったから助かった。
こんな古い散歩の達人を発見し、読んでみると河津の2駅となりの「伊豆稲取」が漁港として有名らしい。夕方行ってみよう。
宿にチェックイン。1泊3,500円と安かった割には小さいけれど温泉があり、部屋もまあまあ広い。汗を流して、部屋に戻り宿に近くのコンビニで買った「ミナミの帝王」を読み、仮眠。起きると、15時43分(時刻表をカメラで写真撮っておいた)の電車が来そうなので、乗って伊豆稲取へ。
伊豆稲取駅は降りてすぐ好みの街だと感じた。坂が多くて、少し寂しげだけれど駅前に小さな個人店が点在しているようで、夜飲めそう。
とりあえず海の方まで歩いて見ると、朝市の看板が。お、いいな。明日朝行って帰ろうか。
漁港に着いた。時間がよかったのか、海が真っ青で綺麗だった。
海から駅方面に戻る途中「温泉街」という標識があったので行ってみる。すぐに日帰り温泉可の宿があったので入る。湯船と洗い場のみという、シンプルなものだったけれど誰もおらず、一人広い湯船を楽しめる、というのは気持ちよかった。
さっと出て、またしばらく温泉街を進むと、「銀水荘」という高級そうな大きなホテルがあり、行き止まり。満足したので駅まで戻ると駅前の居酒屋が開店していたので入ることに。
▲この右手のお店「一丁」へ
よく歩いた後のジンジャーハイボールが美味い…。
昼しっかり食べたのでまだそれほどお腹は空いておらず、料理は小アジの刺身。ジンジャーハイボールの後は磯自慢の大吟醸を頼んだ。
▲なかなか美味しい小アジの刺身。値段の割に多くて、よかった
▲せっかく静岡に来たので、磯自慢。間違いない
入ってみると結構広い店内。開店直後だったので、その広いスペースに1人(で、店員さんがしっかり様子見てくれる)というのがなかなか寂しかったのでお客さん来ないかな、と待っていると地元の女子っぽい2人組が。とっても元気がよく、よく飲み慣れているのかなと思ったら「烏龍茶2つで!」と。それから料理は「焼肉定食2つ!」と元気に注文。なるほど、吉野家や松屋的な使われ方をしているお店なのかもしれない。
次に来たのは高校生くらいの子どもとその家族の団体さんで、「ネギトロ丼!」「焼肉定食!」「おれ厚焼き玉子!」「じゃあカレー!」といった感じで、次に来たのは飲ん兵衛っぽいおじいちゃんたち。やっぱり地元の人に愛されているお店のようだ。
時計を見ると電車が来そうなのでお店を出ることに。いいお店だった。
河津に戻り、あと1軒くらい飲むかと歩いてみる。1軒焼き鳥屋さんを見つけたけれど焼き鳥ではないな…、と思い、諦めて部屋飲みするかと思ったら、川の反対に1軒お店を発見。
「ろばた」というお店で、入ってみると雰囲気がとってもいい。カウンター席もあるのが嬉しい。沼津から仕入れた魚をウリにしているお店のよう。芋焼酎をロックで頼むとなみなみ…。当たりのお店だ。
料理は稲取へ行って名物ということを知った「金目鯛」の干物があったので注文。大きさに驚いた。味は意外と淡白だけど旨い。カウンター上のTVを眺めながら、焼酎と一緒にちびちび楽しんで、大満足。
▲「ろばた」さん。お店の方もとてもいい方で、また是非行きたい。次は刺身とか食べよう
宿に戻って汗を流し、コンビニで買った烏龍割りと南高梅で1人3次会。昼買ったミナミの帝王は読み終わってしまったので、買い増した「THE Jr.」という漫画を読む。話の進み方がうまくいきすぎのようなところが気になりつつも、楽しめた。ちょうど22時になたので寝ることに。
朝6時に起きて、シャワーを浴び7時15分の電車に乗って伊豆稲取駅へ。
▲大きな山が印象的な河津駅
朝市は8時前だったけれど既に始まっていた。
▲朝の稲取港
▲朝市の会場
こじんまりとした朝市で行列が出来ていた金目鯛の釜飯(700円)と味噌汁(無料。おかわり自由!)それから、焼き立てのアジの干物(180円)をいただくことに。大きな金目鯛(味が濃い…)が入ってて、ふっくらご飯が美味い金目鯛の釜飯も、熱々アジの干物も、味噌汁も美味しかった…。いい朝食。
朝市が早く始まっていたおかげで、8時31分発の電車に乗ることができた。
伊豆高原で熱海行きに乗り換えて、熱海からはアクティーで東京まで。12時前に着くことができた。
東京までは長かったけれど、長距離列車の旅の本を読んでいると、不思議と約3時間があっという間に感じた。それにしても面白い本だった。インド、中国、ロシア、カナダ、アメリカと全5章。インドが一番面白かったけれど、中国もよかった。「星空列車バー」は憧れる。
河津でも伊豆稲取でも観光スポット巡りは特別しなかったけれど、行ったことのない街に行って、泊まるというのはただそれだけで楽しい。スマホを置いていけば、ちょっとした冒険気分も味わえる。またそのうちどこか行ってみよう。