丸の内TOEIで『深夜食堂』を見たら、小さな飯屋に行きたくなった。(映画はとても良かったので、美味しいもの好きな人には是非観てもらいたい。主題歌の「 思ひで」は名曲。未だに耳から離れない。)まだ、緑色のイルミネーションが輝く有楽町から有楽町線に乗って、飯田橋に戻る。「小さな飯屋」、そうだ「あほう鳥」で焼き鳥を食べながら一杯やろう。お店は「本多横丁」にある。色んなお店が並ぶ、神楽坂でも大好きな通りだ。
お店に入る。最初の注文は紙に鉛筆で書くようになっている。この銀のキャップ懐かしい。小学校の時によく使っていたっけ。こういう時に綺麗な文字をさらっとかけたら格好良いんだろうなあ。
最初は生中で、大きめのグラスを持ってある程度一気に飲む。あーー。映画の後の最初の一杯、これは美味い。ハツとシロに、それから外側が「かりっ」と香ばしく中がほくほくのにんにく、口の中にジューっと油が溢れるポンチリ。食感の良い「たん」にうずらの卵。美味しい串で、生を早々に飲み干して次は日本酒にすることにした。
前の壁にはられたメニューを眺めれば、「山形正宗」の文字が。鎌倉の「ふくや」で飲んだ一杯があまりに美味かったから、まず一杯目はこれにしたが、やはり正解。香りが良くて甘くてうまい。ここ最近飲んだお酒の中でも特に好きかも知れない。
日本酒のつまみに、やはりあほう鳥に来たら「はつさし(550円)」を食べないと。山葵をちょびっとつけて醤油につけて食べる。相変わらず新鮮で美味いはつだ。
「煮込み」も380円で良いのか、っていうくらい並々で肉がたっぷりで、いわゆるコストパフォーマンスが良い一品。大きめの大根、にんじん、ごぼう。つゆまで飲める調度の良い味付けで日本酒も進み、次の二杯目はメニューをみた瞬間から必ず頼もうと思っていた「而今 純米吟醸 八反錦無濾過生」にすることにした。注文をすると、
「美味しい日本酒どれか知ってるねえ。」
と店員さんがにやりとした笑顔で言ってくれて、自分が「美味しい」って感じているものが、やっぱり美味しいものなんだということが確認ができたような気がして、すごく嬉しい。「好きな日本酒なんです」と答えながらも少々恥ずかしかった。でも、酒がよりいっそう美味しく感じられた。
串に、刺し身に煮込みと食べて、最後は「焼きおにぎり茶漬け」。これが本当に美味しいんだなあ。おにぎりの上に乗る塩昆布と海苔。だんだんと美味いしるを吸っていって最後は雑炊のようになるおにぎり。最高の〆。
神楽坂の焼き鳥といったら「鳥半」なんかも好きなんだけど、1人でふらっと行くとなるとここ「あほう鳥」かな、と。でも早い時間に行かないと入れないこともよくあるので、2人以上で行く場合は予約は必須。
話は戻るけれど、「深夜食堂」、良い映画だったなあ。美味しそう料理はもちろん、登場人物一人ひとりが人間味があって、弱さが見える。一番好きなシーンは多部未華子演じる「みちる」ちゃんの美味しそうに食べるシーン。良かった。こんな食堂あったら毎晩、通ってしまうんだろうな。
あほう鳥
住所:東京都新宿区津久戸町1-14
電話:03-3235-3733
営業時間:
(月~金) 18:00~22:30(L.O.22:00)
(土・日・祝)18:00~22:00(L.O.21:30)
定休日:不定休