美味しいもの三昧な初神戸の夜
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今月のはじめに出張で初めて神戸へ行ってきた。夕方に東京を出発して十九時前に到着し、一泊して翌日の朝一に予定があってその後すぐ昼には東京へ向かう、という余裕のそれほど無いスケジュールであったためにせっかくの初めての神戸、夜だけは楽しもうと事前に行きたいお店を考えておいた。初めての神戸、三宮。土地勘が全く無いからどこに何があるのかわからないし、そもそも今歩いている場所がどんな道なのかわからないが、ただ歩いているだけで楽しいのが初めての街。
三宮(さんのみや)は、兵庫県神戸市中央区にあり、第二次世界大戦後神戸市の中心街になった地域で、JR、阪神電鉄、阪急電鉄、神戸市営地下鉄、ポートライナーが乗り入れる三宮駅を中心に、商業施設が立ち並ぶ繁華街である。JRの駅名は三ノ宮、また、阪急と阪神の駅名は神戸三宮と称する。「三宮」という地名は、トアロードと花時計線の交差点北東にある三宮神社(生田神社の三の宮)の所在地を意味する。
時間に追われるように真っ先に急いで一軒目として向かったのは、ガード下にある「森井本店」。太田和彦氏の「ニッポン居酒屋放浪記」で紹介されていたお店でいつか神戸に行ったら寄りたいと思っていた居酒屋の1つ。立派な入口だ。
扉を開け入口近くのカウンターに座った。まさに「The 大衆居酒屋」といった店内でまずはビールを小グラスで。メニューを見てみると「玉ひも煮」、「どて煮」、「ピリ辛チキンバー」、「とうもろこしのかき揚げ」。なんだこのどれもこれもお酒に合いそうな気になるメニューは。思わず色々頼んでしまいそうになったが二軒目のことも考えて食べ過ぎないように、我慢をして悩んで「バイ貝」とそれから「豚の角煮」を頼んだ。
小さいビールを早々に飲み干した後は灘の酒「金盃」の生酒を1合お願いした。これもこのお店に来たら絶対頼みたかった一杯。東京から約3時間新幹線、電車に揺られて疲れた体に染みる美味さだ・・。「出張で初めて訪れた街の小さな居酒屋で1人ゆっくり酒を飲む」と今思えばこれほど理想的な働き方(?)、生活はないんじゃないかと思えることを今、実際にできているという幸せを噛みしめながらちびりちびりと飲む。そしてまだ外は明るい。
酒銘の「金盃」とは昔中国で皇帝より賜わるもので最も権威のあるものとされていました。商標文字の金盃は明治・大正の書道家、伊藤明瑞氏の隷書体の文体の左右同形末広がりの縁起の佳い書体を採用。至高の品質とめでたさの意を込めています。
ということで料理だ。「バイ貝」はやや甘めの味付けが酒をすすめる。
続いて「豚の角煮」。こちらもバイ貝同様やや甘めの味付け。この価格でこのボリュームか、という嬉しい盛りつけ。大きな角煮は口の中に入れると溶けていく。
刺身も串も食べたいし隣にいた可愛らしいおばあちゃんがイケメンねえなんてお世辞を言ってくれるもんだから、もうずっといちゃおうかと、しかし・・と後ろ髪を引かれる思いの中やはりいかねばと立ち上がり店を後にした。もうすっかり暗くなっていた。初めて見る神戸の繁華街で人混みを通りすぎて地図を頼りに次に向かったのは「哲粋」というお店。こちらも太田和彦氏の「ふらり旅 いい酒いい肴」に登場していたお店だ。
先ほどの森井本店が大衆居酒屋という雰囲気だったのに対してこちらは「上等居酒屋」を目指しているというのも納得の内観。さてと、お酒のメニューを見れば「加賀鳶(石川)」や「米鶴(山形)」といった馴染みのある良く飲むお酒もあったがせっかく神戸に来たのだからと「竹泉 純米吟醸 無濾過生詰 雄町」を頼んだ。
こういうメニューのお店はいつも美味しい気がするので期待が高まる・・。何にしよう。「おすすめは何かありますか?」と聞いてみたら「全部おすすめです!」と笑顔で返ってきた。よし、じゃあ気になったものをとことん食べるか!と、
最初にお願いしたのは「つばす造り(明石)」。「つばす?」と思って調べたら鰤の幼魚だそう。確かにさっぱりとしている。個人的には脂たっぷりの鰤も大好きだけれど、夏前のこの時期にはこんなさっぱりとしている魚も良いかもしれない。すっきりとしたこの竹泉との相性もなかなか。
次は「天然車海老おどり」。こちらも明石産。噛んだ瞬間パチンと弾けるような強さのある弾力ある食感に驚いた。噛めば噛むほど甘い・・。これは素晴らしい。
「由良うに」。まったく臭みが無く、純粋にウニの甘さを感じられた。仙台で以前ガゼウニを食べた時と同じくらい感動的に美味しいうに。
身の並べ方が通常売られているウニとは逆になっています。普通市販されているウニはミョーバンなどで身を固め、崩れやすい身の腹側を下向きにし、身の背を見せるように並べるのですが、こちらのウニは完全無添加で、あえて腹側を見せて盛り付けております。これは鮮度が良くないと出来ない盛り方で「逆手のウニ」とも呼ばれています。
やはり神戸に来たのだからと最後にお願いしたのが「神戸牛塩焼」。もう見ただけでこれは絶対に間違いないと想像できてしまう美味しさ。脂肪の融点が低いのが特徴という神戸牛は口に入れた瞬間から脂がジュワッと滲み出てくるよう・・。それでいて脂は極めて上品でくどくない。ただただずっと味わっていたい・・。
というタイミングで会社の先輩方から「飯行こうよ」と連絡があり、1時間程の滞在でお店を後にする。味香苑という中華料理屋さんへ神戸勤務の方に連れられて行き、そこでも紹興酒と一緒に炒め物や麺を食べ(ここでは写真を撮らなかったがどれもこれも美味かった・・。)、その後には編集長と一緒にBar&Bistro 64という洒落たバーで一杯&デザートを頂いた。
と、改めて振り返ってみるとどんだけ食べて飲んだんだ、という初めての神戸の夜。(翌朝はしっかり早く起きれたからお酒に強くて良かった。)バーを後にしてメリケンパークにあるホテルに1人向かう途中に見た港の景色はものすごく綺麗で、次は二泊三日くらいの旅行で行くぞ(観光名所を巡って街をゆっくりと歩きたい)と1人思った。次は洋食も食べたいし、温泉も行きたい。ただその前に今は7月頭から行く長野、北信濃の旅が楽しみでしかたがない。
四季の味 哲粋
住所:兵庫県神戸市中央区中山手通1-6-7 マミークイーンビル 1F
電話:078-391-6089
営業時間:18:00~24:00
定休日:日曜日
四季の味 哲粋 (しきのあじ てっすい) - 三宮/割烹・小料理 [食べログ]