松本旅行
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初めて利用するバスタ新宿のC9乗り場に停まる松本行きのバス。松本城を見てみたい、松本市美術館も行ってみたい、松本ならではの美味しいものとか長野の日本酒を飲みたい……と思い決めた旅行。12時ちょいには着くはずが事故渋滞のために13時すぎに到着した。長野といったら蕎麦だろうと目星をつけていたお店へ行くと、予想はしていたけれど行列だった。宿へ行くための電車と、それからバスの出発時間の都合で、近くにあった居酒屋風の店に入った。古民家を改装したような店は店自体、お店の人の雰囲気が良かった。メニューにあった「山賊焼き」は、来る前から食べてみたかったのでその定食を頼み、日本酒も頼む。
川中島の特別純米。
山賊焼きは想像以上に大きくて、美味いけれど時間がない時に頼むものじゃないな……と思いつつ急いで食べて、食べ終え、走って駅に向かい、電車に乗り込んだ。「アルピコ交通」という鉄道名が可愛い。そこから約30分で「新島々」(しんしましま。この名前もまた可愛い)という駅に着き、宿で飲むための日本酒を駆け足で買ってそこからはバス。さらに約30分、途中でマイクロバスで乗り換えてまた約30分。山を登る、トンネル抜ける……の繰り返しで、右を見れば大きなダムが現れ、通り過ぎる。山の中の温泉なんか良さそうだという考えだけで予約した宿までは正直遠かった。ただ、そのぶん旅をしているというわくわく感があってこういうのもいいもんだ。行くのが困難であればあるほど、着いたときの達成感だってあるというもの。(という余裕が無いくらいに、乗り換えはぎりぎりだったけれど……)そんな感じで”山荘わたり”に着いた。
道にはまだ雪が残っていて空気は冷たくて綺麗。名一杯深呼吸をするのが気持ち良い。
受付の方が優しい。”山荘”というのがぴったりなあたたかみがある宿。部屋も八畳で十分。荷物を置いてすぐに温泉に入り雪景色を眺めながらの露天風呂。ぬるっとした湯は美肌に良いそう。長く浸かって風呂から上がり、部屋に戻り本を読み、だらだらとする。途中で買った日本酒は窓の外で冷やすことにした。
18時からの夕食も宿の夕食にしては多すぎず美味かった。すぐ部屋に戻ってまただらだらする。十分に冷えた大信州を開けた。部屋にあったグラスに注いで味わうと味は濃く甘め。それで、飲みながら本を読んだり、したいことをしたいように好きなように時間を使う。静かでヒーターの音だけが部屋に響いて窓を開ければ、真っ暗闇の中に白い雪が見える。だいぶ寒くなっている。時間はゆったりしているのにあっという間に過ぎる。気が向いて温泉へ行く。1人だけの露天風呂からは細い木々の先に一つだけ特に眩しい星が見える。あればなんだろう。と、考える余裕がある。そして部屋に戻りまた飲む。そんな時間。次第にぼーっとしてきて、本はもうすぐ後半戦。翌朝は7時23分のバスしかないと聞いていたから早く寝た。
朝飯は疲れた体に染みる温泉粥。宿を後にしてバスに乗るために外へ出たら、朝焼けが眩しい。
バスは途中の「奈川渡ダム」でまた乗り換える。「ダム見るか?」と格好いいバスのおじちゃんが言うから少し見ることにした。しっかりとダムを見たことはいままで無かったかもしれないけれどその迫力にあっという間に夢中になった。こんな大きなものを、どのように作ったのだろうか想像できない。
次のバスが到着して乗り、新島々経由で松本へ向かう。この日のホテルへ荷物を預けてまずは松本城へ。9時に松本に着いたから早すぎたかなと思ったらそんなことはなくてすでに想像以上に混んでいた。(土日に松本城を見るならとにかく早く行くべき)
最上階まで上がるのに時間がかかった。(人が多かったこと、足元が寒かった記憶の方が強烈に残っている。)昼飯は昨日のリベンジということで「そばきり みよ田 松本店」へ。早めに行っても約30分待ち。蕎麦と一緒にお酒、そして馬刺しも長野ならではということでゆったりした店内で良い気分。
松本市美術館へも行けた。
朝が早かったのでホテルに戻り17時頃まで仮眠をする。18時にホテルを出て夜の松本城へ向かった。昼の松本より夜の松本が好きだ。お店の灯りや街灯が綺麗でただ歩くだけで楽しくなる。
松本城も夜の方が好き。
さてご飯だ、と歩いて歩いて、気になった「太助」へ入ったらこれが大正解。
長野の地酒から。なみなみ。
すごく気に入ったきのこおろし。
「本日のおすすめメニュー!」こういうメニューがある店が好き。
特に感動的だったこの馬刺し。こんな美味しい馬刺しは食べたことが無い。もう松本来たらこの店に来てこの馬刺し食べないと損だ!と勝手に思ってしまうくらいな馬刺し。つるっとした口に入れた食感から普通の馬刺しと違って、それで噛めば噛むほど美味しさが溢れてきて絶対笑顔になるすごい美味しさ。
たてがみももちろん美味しい。
ふきのとうの天ぷらも春らしくて最高。
最後はなぜか気になったチゲうどん。良い〆。
翌朝は10時前にホテルに戻って昼は「観光荘松本店」で美味しい鰻を楽しむ。13時発の高速バスに乗り夜、東京に着いた。久しぶりにのんびりできて幸せだった松本旅行。